ワンちゃんの痒みに、アポキル錠以外の選択肢

 体の痒みに悩まされているワンちゃんに、月1回の注射薬はいかがでしょうか?
慢性的な痒みや繰り返す痒みに対して、獣医療界で最近よく使われているのがアポキル錠という痒み止めだと思います。その効果を実感している飼い主様は多いと思いますが、一方で薬の効果が切れるとすぐに痒みが現れるので、毎日内服を続けているというワンちゃんも少なくありません。痒み止めの選択肢として、今回は注射で1か月効果がある薬をご紹介します。
 注射薬「サイトポイント」は、月1回の投与で犬アトピー性皮膚炎に伴う掻痒や症状を緩和するという薬です。アポキル錠と比較すると、内服する手間がない、他の薬との併用もOK、より高い安全性という点がメリットだと思います。費用は他の注射薬に比べると高めですが、アポキル錠も毎日飲む場合だと比較的高額な治療費になると思いますので、長期で痒み止めを使う必要があるワンちゃんにはサイトポイントも選択肢の1つになるのではないでしょうか。
 痒みの原因はワンちゃんみな同じというわけではありませんので、この注射1本で十分ということはありません。アポキル錠の方がいい場合もあるでしょうし、他の治療(感染対策、シャンプー療法、療法食やサプリメントなど)との組み合わせも重要です。少しでも痒みのストレスを緩和できるよう、この注射薬も含めどのような治療が愛犬にとってベストか、定期的に獣医師と相談しましょう。

マイクロチップの重要性、東日本大震災を経験して

当院ではマイクロチップの装着をお勧めしております。特に去勢や避妊手術時に一緒に施術することが多く、希望される飼い主様も増えてきました。
マイクロチップは、簡単に言うと「万一の際の迷子札」です。太い注射針で背中(肩甲骨付近)の皮下に小さなチップを埋め込み、専用の機械をかざすと識別番号が読み取れるという仕組みです。発信機ではありませんので、居場所は特定できません。迷子になって保護されたときに動物病院や保健所等で機械で読み取ると、どこのご家族のペットか調べられるというものです。
日常生活ではまず活躍することのないもので、私(院長)の飼っている犬にも入ってますが役に立ったことはありません。私がマイクロチップの重要性を感じたのは、東日本大震災の後にたくさん出てしまった保護犬・保護猫の問題です。当時、私は茨城の病院に勤務していましたが、福島で保護された犬猫の里親になったという方が多く来院されました。マイクロチップは入っていません。もしマイクロチップが入っていれば保護された段階で飼い主がわかり、再会することができたと思います。
いつも通りの平和な日常において、マイクロチップは必要ないと考えがちですが、予想もしない形でペットとはぐれてしまう可能性は0ではありません。令和4年6月からはマイクロチップの装着がペット販売業者に義務化されます。一般の飼い主は努力規定になっていますが、ぜひ前向きに考えていただければと思います。

これがフィラリアの成虫です

フィラリア症は、蚊にさされることで感染する寄生虫の病気です。フィラリアは感染後少しずつ成長し、最終的には肺の血管や心臓内で成虫になります。なので実物を見る機会は獣医師でもほとんどありませんが、以前勤務していた病院では心臓内のフィラリア成虫を摘出したことがあります。その時の標本が当院にありますので、実物を見てみたい方はぜひご来院ください。
フィラリア症の予防は本州以南では飼育犬のほぼ100%が毎年予防をしています。帯広近郊では自然発生はまだない?かもしれませんが、本州から来たわんちゃんでフィラリアに感染していたという例は十勝管内でもあります。札幌では猫でもフィラリア感染が確認されていますので、今後は帯広でもフィラリア症の予防が犬猫で当たり前になるかもしれません。
予防についてのご質問・ご相談はお気軽にどうぞ。

犬の心臓病、治療開始のタイミングはいつか?

僧帽弁閉鎖不全症は、犬で最も多い心臓病です。ほとんどの子がお薬での治療を行います。心臓病と診断されても無症状の場合、お薬を飲んだ方がいいのかどうなのか?
ここでポイントとなるのが、「心臓が大きくなっている」かどうかです。米国獣医内科学会(ACVIM)のガイドラインによると、レントゲン検査とエコー検査で心臓の拡大を評価し、明らかな拡大が認められた場合はピモベンダンという薬を開始するように推奨されています。僧帽弁閉鎖不全症の犬の多くはこのガイドラインに沿って治療を考えていけば良いと思いますが、100%みな同じ心臓ではありませんので、個々にあわせての判断も重要です。
無症状だけれども心臓病があると言われた場合、定期的な診察と検査で直接見えない心臓の状態を把握していきましょう。

アミノ酸補給で腎臓病の犬猫を支えたい

腎臓のケアにお勧めのサプリメントをご紹介します。
従来の腎臓療法食とは別の視点で栄養を考えたサプリメントになります。腎臓保護の働きが期待される数種類のアミノ酸を補給するというもので、腎臓病の進行を抑える効果があったとする研究論文をもとに製品化されています。発表されている研究論文のデータを見る限りは、腎臓病の犬猫に効果がありそうです。発売されて間もないので長期使用での実感はありませんが、使っているお家では嗜好性に問題はなく続けやすいようです。この製品にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。療法食とともに栄養の面から腎臓のケアを考えていきましょう。

マダニ駆除のお薬、いろいろあります

病院内のポスターをアップしました。注目はこの猫ちゃん、かわいい~、院長の好みなので採用しました。もちろん犬も好きです。
犬のマダニ駆除のお薬は、美味しく食べられるチュアブルタイプで1か月効くものと3か月効くものがあります。どちらもちゃんと効きますので、好みで選べばいいです。チュアブルタイプをなかなか食べてくれないというわんちゃんには背中に薬液を垂らすスポットタイプもあります。これも効果はありますが、意外と家でつけるのが難しいことがあります。薬液を付けた後に気になってブルブルしてしまったり(薬液が飛んでしまう!)、床にこすってしまったり(液量が減ってしまう)、1か所につけたら溢れて垂れてしまったりと、全量を皮膚にしっかりなじませられない場合があります。なので犬では食べるタイプをお勧めしています。シャンプーしても効果はおちません。食べるタイプも付けるタイプも個人の体質によって合う合わないがあるので、過去にお薬使用後に異常があった子は直接獣医師に相談してください。
猫ではスポットタイプが中心です。お散歩している子や毎日近所のパトロールに出かける猫ちゃんは、ぜひ駆除薬を使いましょう。

北海道のマダニからもSFTSウィルスが確認されています。今後、人や犬猫でも感染が確認される可能性もありますので、ワクチン接種と同じくらいマダニ対策も重要です。

マダニ、始動!

足早に春がやってきましたね。桜の開花も早い予想のようです。暖かくなって活動的になるのは人もマダニも同じ!?
当院では今年すでに3頭のわんちゃん猫ちゃんが、マダニと一緒に来院されました。写真は実際に除去した初物(?)マダニです。雪が解けたらマダニ予防の季節ですね。マダニが媒介する感染症は、動物だけでなく人でも問題になっています。動物も人も守るために、定期的な駆除薬でマダニ対策を盤石にしましょう。寄生虫対策の薬には、マダニとノミ駆除だけのものと、マダニ・ノミ+フィラリア予防+消化管寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫)駆除が組み合わさったものがあります。できるだけ多くの寄生虫対策をしたい方には後者がお勧めです。(※フィラリア予防薬の使用前にはフィラリア検査が必要です。動物病院に相談しましょう)。

お勧めのフードは?

健康のためにどんなフードを与えたらよいか、飼い主としては気になるところだと思います。まだ病気はないけれども、どのようなフードを選べばよいのか?正直、絶対正しい答えはないのですが、当院のおすすめをお話しします。

当院のおすすめは、「療法食を扱っているメーカーのフード」です。

理由1 療法食は病気の治療のために常に研究されていてるため、それを作るメーカーは常に最新の情報をもとに製品の改良を進めています。簡単に言うと、健康のためのデータがちゃんとあり、より良いものを提供するために努力を続けているということです。
理由2 いざ病気になって食事療法が必要になったときに、スムーズに切り替えやすい。

病気の動物に、それに合った療法食を食べさせると確かに治療効果が認められます。薬が要らなくなることや寿命が延びることもあります。フードメーカーの努力はすごいなと感心させられます。そんなメーカーが作ったフードなら、栄養の知識がなくても信頼できるのではないでしょうか。欠点をあげるなら、値段が高めなことです(その分良質な原材料を使っているとも言えます)。

上の写真は、我が家の犬猫が実際に食べているフードです。これがベストかどうかはわかりませんが、便の調子はよくお腹にあっているようです。一つの参考にしていただければと思います。気になることがありましたらなんでもご相談ください。

健康診断、通年受付しております

当院では春夏秋冬いつでも健康診断を受付しております。ワクチンの時でも、人から病気の話を聞いて心配なった時でも、ペットの健康が気になった時にすぐに受けられます。ワンちゃんはこれから狂犬病予防接種の時期ですので、一緒に健康診断の血液検査もいかがでしょうか。
当院での血液検査については、院内検査と外注検査の2通りの方法が選べます。違いは下記の通りです。

・院内検査:当日結果が出る。採血量は外注ほど多くなくても可能。

・外注検査:結果が出るのに2週間前後かかる。採血量は多く必要。院内よりも検査項目が多い。甲状腺ホルモン検査なども割安で追加可能。

今のところ元気で、結果を急がず、十分な採血が可能な子であれば外注の方がいいかもしれません。健康診断についてもっと詳しく知りたいという方は、お気軽に獣医師にご相談ください。

犬猫用涙やけワイプ

涙やけでお困りの方におすすめの新製品です。
人間用目薬メーカーが開発した動物用ワイプで、1日1回使用していくと涙やけが緩和されるそうです。
中を開けてみると、丸いワイプにジェル状の成分がしみこんでいます。
我が家の犬猫は涙やけはないので効果はわかりませんが、使ってみて特に嫌がる様子はありませんでした。
小型犬では涙やけが多いと思いますので、まずは1か月試してみてはいかがでしょうか?