犬の外耳炎に使う外用剤

犬で外耳炎は一般的によくある病気で、特に痒みの症状は犬にとっても飼い主様にとってもストレスではないでしょうか。外耳炎は耳ダニや異物、腫瘍などを除くと、体質が原因のことが多いです。よって外耳炎を繰り返す子は何度もなりますし、逆に全く外耳炎にならない子もいます。今回は体質で外耳炎を繰り返す犬によく使用する外用剤についてお話しします。

耳に入れる外用剤は、ステロイドや抗生物質、抗真菌薬などが主な有効成分で、単剤のものもあれば合剤のものもあります。当院では軽度の外耳炎であれば1回の投与で1か月効果があるという薬を使うことが多いです。この薬の特徴は、なんといっても家で何もしなくていいというところです。家では薬を入れられない場合や耳を見ることすらできない場合でも、満足のいく治療ができることが多いです。ただし、全ての外耳炎にこの1つで対応できるわけではありませんので、薬を適用できる外耳炎なのか、いつ再診かなど獣医師とよく相談しましょう。

次に、1日1回使用する薬も何種類か扱っています。これらに関しては、自宅で投与する必要がありますが、長く効く薬と違って投与量や投与頻度を調整できるメリットがあります。特にステロイド剤は外耳炎治療に重要ですが、やはり副作用の可能性があります。効果時間の短い薬であれば、良い作用を発揮しつつ副作用のリスクを小さくするように投与を調整できます。外耳炎を頻繁に繰り返す子には、こちらの方法をお勧めしています。定期的な通院が必要な分、細かなケアできる方法です。

外耳炎の治療について、耳の洗浄や飲み薬も重要ですが、外用剤を上手に使えればより良い状態を維持することができるかもしれません。重症になる前に獣医師に相談しましょう。