マイクロチップの重要性、東日本大震災を経験して

当院ではマイクロチップの装着をお勧めしております。特に去勢や避妊手術時に一緒に施術することが多く、希望される飼い主様も増えてきました。
マイクロチップは、簡単に言うと「万一の際の迷子札」です。太い注射針で背中(肩甲骨付近)の皮下に小さなチップを埋め込み、専用の機械をかざすと識別番号が読み取れるという仕組みです。発信機ではありませんので、居場所は特定できません。迷子になって保護されたときに動物病院や保健所等で機械で読み取ると、どこのご家族のペットか調べられるというものです。
日常生活ではまず活躍することのないもので、私(院長)の飼っている犬にも入ってますが役に立ったことはありません。私がマイクロチップの重要性を感じたのは、東日本大震災の後にたくさん出てしまった保護犬・保護猫の問題です。当時、私は茨城の病院に勤務していましたが、福島で保護された犬猫の里親になったという方が多く来院されました。マイクロチップは入っていません。もしマイクロチップが入っていれば保護された段階で飼い主がわかり、再会することができたと思います。
いつも通りの平和な日常において、マイクロチップは必要ないと考えがちですが、予想もしない形でペットとはぐれてしまう可能性は0ではありません。令和4年6月からはマイクロチップの装着がペット販売業者に義務化されます。一般の飼い主は努力規定になっていますが、ぜひ前向きに考えていただければと思います。