犬の僧帽弁閉鎖不全症で治療を始めるタイミングは?

犬の心臓病で最も多いのが僧帽弁閉鎖不全症です。治療方針については、米国獣医内科学会(ACVIM)のガイドラインを中心に決定することが一般的かと思います。このガイドラインでは、僧帽弁の逆流があっても心臓が大きくなってなければ定期検査とし、大きくなってきたらピモベンダン(強心剤)で治療を始めることを推奨しています。

心臓が大きくなったと判断する基準は、レントゲン検査で心臓の大きい(VHS>10.5)、エコー検査で左心房と左心室が大きい(LA/Ao>1.6、LVIDDN>1.7)、という3つです。心臓病の初期で発見された場合はまず定期検査をしていき、この3つの条件を満たしたら薬を始めることになります。このガイドラインの基準はすべての犬に当てはまるわけではないので、個々の状態に合わせて治療をアレンジする場合もありますが、いずれにせよレントゲンやエコーでできるだけ正確に心臓の状態を把握することが重要です。心臓病と診断された、または心臓病の疑いがあると言われた場合はぜひご相談ください。